チーク材製品のメンテナンス・経年劣化

チーク材の特徴
チーク材は、東南アジアを中心に自生する広葉樹であり、古くから高級木材として知られています。
特に家具や船舶、建築材として広く利用されてきました。その中でも、ガーデンチェアや屋外家具においてチーク材が好まれる理由は、以下のような優れた特性にあります。
優れた耐久性と耐候性
チーク材は天然の油分(チークオイル)を豊富に含んでおり、このオイルが木材を内部から保護する働きをします。
このため、雨や湿気、直射日光、風といった過酷な屋外環境に対して非常に強い耐性を持っています。
防腐剤などを使用せずとも、腐食や虫害、カビの発生を防ぐことができ、長期間美しさと機能性を保ちます。
チーク材は重く密度が高い木材であり、曲げや割れに強く、強度と安定性に優れており、ガーデンチェアのように頻繁に使用される家具でも、長期間にわたり形状や構造を保つことができます。
経年変化による美しさ
新品のチーク材は黄金色〜淡い茶色をしていますが、時間とともにシルバーグレーへと変化します。
これは自然な酸化によるもので、多くの人に「味わいのある風合い」として好まれます。
また、元の色に戻したい場合はサンディングやチークオイルの再塗布によって対応可能です。
メンテナンスのしやすさ
チーク材は汚れにくく、清掃も容易です。
基本的には柔らかい布や中性洗剤での水洗いで十分なため、屋外家具として日常的に扱いやすい素材です。定期的なオイルメンテナンスを行えば、さらに美しさを長く保てます。
お手入れについて
チーク製品は雨や太陽光などにさらされる屋外での過酷な環境にも耐え、腐食や反り、割れが起こりにくいので特別な表面処理は必要ありません。
汚れやほこりが付いた場合も、沈着しないよう濡れた雑巾で拭き取る程度で十分長持ちします。ただしテーブルに食物の脂肪分が付着したり、コーヒーや赤ワインのような濃い色の飲み物をこぼした際は直ちにふき取って下さい。放置すると木材の中の組織に入り込みシミになることがあります。
なお、経年により表面の肌合いが滑らかさを失いざらついた状態になりますが、チークの耐久性能に変化はありません。もし当初のような滑らかな肌合いを復元したい場合はサンドペーパーを使い表面を磨いて下さい。 ※表面を磨く際は電動サンダーは使用しないで下さい。摩擦熱で表面に黒色のシミをつけることがあります。
チークの変色について
多くの木材と同じようにチーク材も紫外線に当たることにより変色します。
これは木材に含まれるフェノール性物質が紫外線によって着色物質に変化し、可視光を吸収しないような物質を生じさせるためです。チーク家具を屋外で使用すると約1ヶ月で色が薄くなりはじめ、6ヶ月程でシルバーがかった灰色へと変化します。
オイル仕上げをしたチーク家具も未使用時は濃い茶褐色ですが、屋外での使用を開始すると徐々に色が薄くなり始め、最終的には無着色のチーク家具と同じくシルバーがかった灰色へと変化します。
しかしこれらの変色は表面材だけのものであり、腐食している訳ではないのでチーク材の強度や耐久性に問題はありません。
またチークは木の組織にオイル成分を豊富に含んでいるため、新しい家具の表面は非常に滑らかでしっとりとした肌合いですが、屋外での使用を続けると表面色が変化するのと共に木の表面がザラっとした感触に変わることがあります。
これはチーク表面のオイルが蒸発したため起こる事ですが、内部には十分なオイルを含んでいるため特別なお手入れは不要です。
一方、黒い色の変色がスポット状に現れた場合は注意が必要です。内部が湿潤になり、紫外線により変質したオイルを栄養源とするバクテリアが繁殖しやすくなっています。これを放置すると家具が全体的に黒灰色へと変色する可能性がるため、黒い変色が見られる場合は専用のメンテナンス用品を使い、早めにお手入れすることをお勧めします。
